家計簿を複式簿記で付ける理由
簿記は「単式簿記」と「複式簿記」に分けることが出来ます。一般的な家計簿は単式簿記です。多くのサイトが単式簿記での家計簿を勧めています。一方の複式簿記の特徴は、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」に分離し、借方と貸方を釣り合わせる点にあります。
さて、例えば新築の戸建てを購入する際、どうやら火災保険の加入が義務付けられているようです。単式簿記と複式簿記でどう異なるか、次の設問で考えてみます。
【ケース1】
2017年1月1日に住宅を購入した。購入時に火災保険と地震保険に加入し、30万円支払った。内20万円は火災保険、10万円は地震保険である。火災保険の保険期間は10年、地震保険の保険期間は5年であった。
○単式簿記の場合
支払った時点で現金が出ているため、2017年の費用は30万円となり、翌年度は費用が発生しません。おそらく5年後に地震保険の更新時期が来て慌てふためき、10万円の費用を計上することになるでしょう。
○複式簿記の場合
支払った時点で30万円の費用を計上しますが、期末の決算整理で火災保険の内18万円分、地震保険の内8万円分を「前払費用」として計上し、2017年の費用計上は4万円となります。
つまり、複式簿記を使うことで火災保険の費用を各年に均等に配分することが出来ました。期間損益計算が出来るということです。翌期以降は決算整理で前払費用から支払保険料に振り替えることで、およそ何年後に保険料の更新があるか把握することが出来るでしょう。まさに「身構える」ということです。
今回挙げたのは一例ですが、ほんの少しでも「複式簿記」の威力・魅力が分かって頂けたでしょうか?
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